バドミントン 基礎打ちのやり方
こんにちは、JUNです。
この記事ではバドミントンの「基礎打ち」について書いていきます。
バドミントンをやる上では必ず最初の練習として行われるものですが、これは初心者だけでなく、中級者、上級者にとっても重要な練習なので、ここで基礎打ちのあれこれをいろいろとお伝えしておきたいと思います。
基礎打ちとは?
まず「基礎打ちってなに?」という方は、この項目を読んでもらいたいのですが、
バドミントンの
・ドロップ&ロブ
・ドライブ
・プッシュ & プッシュレシーブ
・クリア
・ヘアピン
・スマッシュ & スマッシュレシーブ
というような基本ショットを、2人一組で順番に打ち合っていくのが「基礎打ち」という練習になります。
殆どの場合は、練習開始の最初の方で15〜30分程度行われることが多いです。
基礎打ちの順番には特に決まったルールはないものの、多くのプレイヤーは、
1、ドライブ
2、ドロップ & ロブ
(ドロップとロブを交代)
3、プッシュ & プッシュレシーブ
(プッシュとレシーブを交代)
4、クリア
5、ヘアピン
6、スマッシュ & スマッシュレシーブ
(スマッシュとレシーブを交代)
というような順番で行われることが多いです。
強打系のクリアとスマッシュは、いきなりやると身体やシャトルに負担が大きいので後ろの方で。
身体を慣らしやすく、シャトルへのダメージも少ない、ドライブやドロップは最初の方で。
クリアとスマッシュが連続するとかなり疲れるので、間にヘアピンを。
というような思想で、自然と上記のような順番に落ち着くプレイヤーが多いです。
この基礎打ちは、練習開始時のウォーミングアップとして行われるという側面が大きく、実際にバドミントンプレイヤーの多くもそういう認識を持っている人が多いですが、
実はこの基礎打ちっていうのは、特に社会人プレイヤーにとっては
“重要な技術練習の場”
であるという認識を持っておくことも重要です。
社会人プレイヤーは練習できる環境が限られる。
学校の部活では、基本的な素振りやフットワーク練習、そして上記の基礎打ち、みたいな事から練習が始まり、
そしてノックやパターン練習などなど、、、ありとあらゆる基礎練習を行って上達を目指していくのが極々一般的な流れですが、
社会人プレイヤーの場合は、こういう基礎練習をやったり、あるいはできるような環境ってほとんどなくて、
「基礎打ち→即ゲーム」
というような流れで練習が行われることが圧倒的多数です。
というのも、時間のない社会人ですし、趣味としてバドミントンを楽しむのが社会人なので、学生のようにガツガツとした基礎練習をやっているとこっていうのは、
それこそ大会で上位を目指すような強いチームだったり、あるいは数は少ないものの初心者を指導するクラブチームだったり、そういうごく限られた場で行われるのみで、
通常は、やっぱり社会人でバドミントンをやっていると、ほとんど基礎練習というものは行わなくて、基礎打ち→即ゲーム、だと思います。
だからこそ、社会人プレイヤーでバドミントンを上達させるためには、この「基礎打ち」と「ゲーム」ですね。
この中でどれだけ上達できるか、というのを強く意識して極めなければならないわけです。
形だけの基礎打ちなら要らないんじゃないか。
さて、実は極々一部ではあるのですけれども、社会人プレイヤーの中には、
「基礎打ち不要論」
を掲げる人もいるのです。
つまり、
基礎打ちが上手くなっても試合に全然生かせない奴多いし、そんな練習だったら要らねぇんじゃね?
もっと試合した方がいいんじゃね?
っていう立場の人ですね。
これ、完全に賛成するわけではないのですけれども、めちゃめちゃ“一理ある”とは思うんですよね。
たぶんみんなの周りにもいるんじゃないかな。
「あの人、基礎打ちならめっちゃ上手く見えるんだけどねぇ。。。試合だとねぇ。。」
っていう人。
逆に、基礎打ちでは大したことないように見えるのに、試合では何故かめっちゃ勝ってる人とかっていうのもいると思います。
こういうのを見ていると、「ほんとに基礎打ち役に立ってるのか?」っていう疑問がわくのは当然かなと思いますし、
実際に、それが当てはまる人にとっては“基礎打ちが練習になっていない”というのは隠しきれない事実なのではないかなと思うのです。
だけれども、僕自身は、体感として、
基礎打ちは重要な技術練習である
と思っていますし、実際に社会人でバドミントンを再開した際には、コート内での技術練習と呼べる練習って、もうほとんど基礎打ちしかないわけです。
あとはゲームばかり。
社会人になると、極一部を除いては、いちいちノックなんかパターン練習なんか普段はやらないことが多いですよね。
20〜30分くらい基礎打ちして、あと残りの時間はランダムに組んでゲーム、っていうのが通常の流れです。
そんな中で僕ができるコート内での「技術練習」っていうのは基礎打ちしかないですし、実際に基礎打ちで上達したという実感があるからこそ、
やっぱり基礎打ちは重要だと思うのです。
さて、では基礎打ちを「正しく技術練習として実践できている」人と「そうでない人」の違いなんですけど、
これはもう明確に一つあって、
実戦を想定して打っているか
やっぱここに尽きるんじゃないかと思います。
基礎打ちをただの“ウォーミングアップとして”、慣らしで各ショットを順番に流れ作業のように打っている人は、やっぱ上達しているような感じはしないし、
逆に、基礎打ちでも実戦さながらのような感じで「やり合ってる」ような人たち(笑)
こういう人たちはやっぱ「強い」です。
(基礎打ちでも上手いし、試合でも強い。)
ドライブ一つとっても、その場に留まって慣らしで打ってるのは最初の何十秒かくらいで、
残りの時間は全部、「隙あらば攻めて前に詰める」っていう事をやってたり、
攻められた方も、足をしっかり動かして距離を確保して決められないように守り切って「絶対に決めさせない!」っていう意志をヒシヒシと感じますし、
逆に相手の攻撃が緩かったら、そのチャンスを逃さずにカウンターして、守備から攻撃に一気に転じたり、、、
と、もう実戦さながらの「基礎打ち」をやってるわけです。
で、この時「基礎打ちだけうまい人」は思うのです。
「えっ、ドライブの基礎打ちなのに、そんな前詰め込んできたらもうそれプッシュじゃん!」と。
形に拘るんですよね。
これがあんまり良くない思考かなと僕は思っていて、実際に試合のラリーで一定のショットをずっと打ち続けるなんてないわけじゃないですか。
それこそ、そういう状況っていうのは基礎打ちでしかなくて、
その基礎打ちの形に拘って基礎打ちをやっていると、多分あんま上手くならないです。
「コート中間からコート中間の位置関係で低く速いショットを打つのがドライブだ」と勝手に定義して、「前に詰めるとプッシュになるから、ドライブの基礎打ちではやるべきではない」っていうふうに形に拘ることは、
“上達に繋がるか?”“強さに繋がるか?”っていう視点で考えると、やっぱり繋がりにくいとは思うのです。
初心者のうちに、あくまで基礎ショットの打ち方を覚えるような段階で、もうそういうのは卒業していなきゃいけなくて、
実際にショットの打ち方をある程度習得したのなら、同じショットを延々打ち続けるというのは辞めにして、
上記のように「やりにいく」、実戦を想定したような流れでラリーをしないと、基礎打ちがいつまで経ってもウォーミングアップのままで、技術練習という形にまで昇華しない。
これって、強豪校出身の人ととかは(多分そういう指導をされているのだと思いますが)、当り前にできています。
だけれども、部活出身だけど別に強豪ではないっていう人ほど、結構こういう「形にこだわる」タイプの人が多くて、
いわゆる「基礎打ちのための基礎打ち」みたいになっている人が多い。
基礎打ちで“生きた球”を打たないから、いつまでも技術が上達しない。
と、そういう状況に陥るわけです。
これがいわゆる「基礎打ち不要論」というのを生み出した原因かなと思うのですが、
僕はもう個人的になんですけれども、あえてショットの名前に拘る必要はないのかなと思うのです。
「このショットはドライブなのか?」みたいなことを考え出すと、ドライブの基礎打ちなのにドライブじゃないことをやっていていいのか、っていう発想になりがちなわけですが、
そういう名称っていうのはぶっちゃけどうでもよくて、
“今この練習が、実戦にどの場面とリンクしているか”
ということのほうがめちゃめちゃ重要で、
僕はもうドライブの基礎打ちにおいては、ネットギリギリを通って、相手コートのサービスラインの向こう側に着弾するような軌道のショットは“全てドライブ”だと思ってやってます。
なので、相手のドライブが浮いたときには低く打ち込んで、前に詰めてプッシュに繋げるのも「ドライブ」だし、(だってダブルスの試合では実際にそう動くからね)
逆にこっちが浮かしたドライブに対して相手が攻め込んできて、こちらがプッシュレシーブのような形になった場合には、それは「ドライブ」の範疇だと考えるわけです。
つまり、「ドライブ」っていう名前と固定観念に囚われず、
“実戦での動き”っていうのを想定して基礎打ちをやるわけです。
これはもう他のショット、ドロップとかプッシュとかスマッシュでも同じです。
プッシュなんてのは“初期位置が違うだけ”で、やることはドライブと全く同じですからね。
攻めが甘けりゃ、バンバンカウンターとって逆に前に詰めるし、
レシーブが甘い場合にも同じ。
まあでもこの辺は、相手のレベルにも合わせて「空気を読む」必要はあるけれども、少なくとも足がコートに接着剤で止まっているかのごとく、
ずっとその場にとどまって打ち続けるというような、そういう実戦を想定できていないような基礎打ちはやらないこと。
相手に合わせて打球の速度とかは調整しても、足はちゃんと実戦を想定して動かしておく。
っていうのは意外と大事。
打球を緩めると、足の動きまで緩める人が多いけれども、それだと自分の練習にならないからね。
30秒ルール
さて、実戦の想定が大事とはいえ、今僕が上記で取り上げたような基礎打ちを
「最初の1球目」
からいきなりやり始めると、よほど関係性を築けていない限りは、相手に嫌われます(苦笑)
割とこの辺は、「この人、やりに行っても大丈夫な人かな?」っていうのは空気を読んで判断しなければならないのですが(上記のように形にこだわる人も多いですからね)、
僕がおススメなのは“30秒ルール”です。
つまり、基礎打ちの各ショットの最初の30秒は、いわゆる形だけの慣らしの基礎打ちをやっておいて、ここは本当のウォーミングアップですね。
この30秒が経過してから、「徐々に」様子を見て、ヒリつくバトルのような基礎打ちを相手がやってくれるのかどうかを試していくわけです。
多くの場合は、基礎打ちの時間って20〜30分くらいが標準的かと思うのですが、そうすると1つのショットの時間って概ね2〜3分程度になると思います。
その2〜3分の最初の30秒が空気読みタイムで、残りの時間で(可能なら)バトル開始と(笑)
そんなイメージです。
この「バトル」でどれだけヒリつけるか、っていうのがやっぱり大事だと思うんです。
僕はいつもは妻と一緒に練習に行くので、基本的には基礎打ちはいつも妻とやるので、1球目から「喧嘩してんの?」っていうくらいに、
周囲からはたまに、「えっそれ基礎打ち?」と言われることも少なくないくらいやり合ってるんですけれども、
そういう日々の夫婦喧・・・じゃなかった(笑)
練習があって、共にこの歳でもずっと上達できているわけです。
超余談ですけれども、僕の妻にいたっては、スマッシュの基礎打ちなのにドロップ打ちやがりますからね(「返され過ぎてムカつくから」と・苦笑)
もちろんそれは、相手が僕の時だけですけれども、
そこで「スマッシュじゃないやん!」と憤るのは三流です。
そんな場面“試合ではいくらでもあるんだから”いきなりやられても取りに行けるくらいの準備を基礎打ちでもやっておくべきだ、というマッチョな思考でいくのです。
それで拾えないようだと、やっぱり試合を想定できていない、まだまだ未熟な意識で基礎打ちをやっていたんだと内省し、
もうそこまでいくと完全にルール違反ではないか、というくらい「やりにきた」打球を返球してこそ、本物なわけです。
つまるところ、基礎打ちは上手いけれども試合でダメダメな人というのは、
こういう「もうここに来ることがわかっている」という意識でしか打ててなくて、
例えば同じスマッシュレシーブでも、基礎打ちの意識と試合の意識では、全く異なるわけです。
基礎打ちでは、「スマッシュしか来ない」という意識で構え、
試合では、「スマッシュがくる“かもしれない”」という意識で構え、
こういう意識の違いが、身体の動きを変えるのです。
だから、基礎打ちでできることが試合でできない。
だったらもうどうするかって、基礎打ちの段階で限りなく試合を想定するようなことやるしかないじゃん、と。
スマッシュの基礎打ちでドロップ打たれて返せないって、それはもう100%「こちら側」の落ち度だって認めて、
むしろ、完全にルールを無視してでもドロップを打ってくれたことにすら感謝して、
自分の糧にしようぜと。
・・・ということで、今日は具体的な練習というよりは「意識」に関する内容でしたけど、
たぶん僕が社会人プレイヤーとしてバドミントンをする中で、“技術練習”としては今回の内容って最も重要な事だと思います。
普段何気なくやっていることの積み重ねって、文字通り「積み重なって」いくので、たったこれだけのことが何カ月も何年も継続されていくと、
気づいたときには大きな“違い”となって表れるわけです。
気づいたときにめちゃめちゃ上手くなっているのか、それとも何年後も全く変わらない状態が続いているのかっていうのは、
実はこういう小さい(ように見える)意識の違いだったりするのです。
ではでは今日はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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