バドミントン 素振りのやり方
どうも、熱血バドミントンプレイヤー 兼 某高校のバド部コーチのJUNです。
このページではバドミントンの“素振りの全て”を解説していきます。
バドミントンのショット上達は素振りが命
バドミントンのショットを正しく習得するために、まず必要となるのが
“素振り”
です。
よくバドミントンの世界では、
「いきなりシャトルを打つな!」
というコーチが結構いたりするんですけど(僕も言っちゃいますね・笑)、これにはちゃんとした理由があります。
それは、正しい振り方のフォームを身に付けていない人がいきなりシャトルを打つと、
明らかに“初心者っぽい”打ち方になってしまうからです。
公園で“羽根つき”をして遊んでいるかのような例のアレです。
無意識にそういうフォームが染みついてしまうと、正直言ってなかなかバドミントンが上達しないですし、癖がつくとなかなか治らないんですよね。。。
ぶっちゃけ、僕もバドミントン歴は10年以上ありますけど、
ちょっと握り方を正しく変えただけで、“めっちゃ上達”した人もザラにいます。
それこそ、僕がコーチをするときは、どんなにバドミントン歴がある人でも、まずラケットの「握り方」から徹底的にチェックします。そのくらい大事。
ホントに、ちょっとした握りの違いで腕の使い方が変わりますから、楽にクリア飛ばせるかどうかとか、スマッシュを打った時にシャトルに伝わるパワーとか、何もかも変わってきます。
しかも、そういう握り方の違いを、“ほとんどの人は自分で気が付けてない”というのも悩みどころで、
バドミントンの世界では、「ラケット面を床と垂直にして、グリップを“握手”するように握る」とよく言われるんですけど、それを鵜呑みにして握ると、ほぼ間違います(キッパリ)。
そういうのも、我流でバドミントンやる人が全く上達していかない理由の一つです。
だからこそ!ですよ。
正しい握り方を学んで、正しい素振りのフォームを身に付けることが、バドミントン上達の第一歩です。
ではでは早速、実際のスイングのやり方を学んでいきましょう!
オーバーヘッドストローク
まずはバドミントンの最も基本となるスイングである「オーバーヘッドストローク」です。
こちらの動画の、0:55〜1:37あたりで正しいスイング方法が解説されてるのでご覧ください。
一通り説明されてますが、特に重要な部分は手首の“回内”です。
要するに、手首を内側に回転させる動きでラケットを振ることです。
バレーボールを打ったり、バスケットボールのシュートのような手首の使い方ではなく、手首を回転(回内)させる力が重要になります。
ここかなり大事です。
(オーバーヘッドストロークなどのフォアハンドでは手首を内側に回す「回内」、そしてバックハンドの時は逆に手首を外側に回す「回外」の動きになります。)
バドミントンでは、その回内運動を活かしたショットを打てるかどうかがめちゃくちゃ重要!!です。
で、初心者が最も苦労する部分でもあります。
苦労するがゆえに、腕だけで振ってしまうフォームで癖がついてしまう人が超多いんですけど、回内運動が生かせないとショットの幅が極端に狭くなるので、
最初のうちは全体的な動作よりもむしろ、「回内運動」だけを意識して素振りをするくらいでちょうどいいと思います。
(実際、僕がコーチをしていても、ここを改善するだけでクリアが劇的に飛ぶようになる人が多いです。)
この回外や回内のパワーでラケットにシャトルをあてるためには、「イースタングリップ」と呼ばれる、ラケットの面を自分に対して垂直に向けた状態からグリップを上から軽くつかむように握る必要があります。
そうすることで、前腕を回外回内させたときにラケットの面が真っすぐな状態でシャトルにあたります。
往々にして初心者は、「ウエスタングリップ」というフライパン持ちで手首の前後運動を使って打ってしまっていたり、
「セミウエスタン」と呼ばれる、イースタングリップとウエスタングリップの中間の握りで打ってしまっていることが多いです。
特に、素振りの段階だとできているのに、羽根を打つ段階になるとシャトルが飛ばないからと、フライパン持ちで腕全体を振りまくる打ち方になってしまう人が多いです。
回内運動というのは日常生活ではほぼ使わない動きです。
なのでバド初心者にとっては“打ちにくい”し、最初は“飛びません”。(これ断言します)
だけど、練習を重ねればだんだん感覚がつかめてきて、感覚が掴めれば「簡単に飛びます」。
打ちにくいからとフライパン持ちにせずに、しっかりと回内運動を活かせるイースタンブリップの握りでフォームを作ること。
初心者は、まずはそこに注意してください。
あと感覚的な部分になりますがスイングのイメージとしては、シャトルを打つ直前までは握っている手は脱力した状態で、“打つ瞬間(インパクト)だけ”グリップをぎゅっと力強く握り込んで打つような感覚で打ち、
で、そのギュッと握り込んだときに、
「人差し指の付け根側面」をスイング方向に対して真っすぐグリップに“押し付ける”ようなイメージで打つと、上手く回内運動を生かしたスイングができます。
↓このあたり
ここをインパクトの瞬間、ギュッと握り込むと同時にグリップに押し付ける。
スイングをするときは、上記のような感覚で振ることで自然と「回内運動」を生かせるフォームになるのでぜひ試してみてください。
オーバーヘッドストロークは、
威力のある「スマッシュ」、後方からネット際に落とす「ドロップ」「カット」、後方から相手コートの奥へ返球する「クリア」、というバドミントンの基本プレーの中でも重要な3つのショットを打つためのものになりますので、
まずはオーバーヘッドストロークをマスターしましょう!
フォアハンド(横振り:サイドストローク)
続いて、横振りのフォアハンドです。
これも「オーバーヘッドストローク」の時と同じように、手首を回転(回内)させる動きが非常〜に重要になります!
何度も言いますが、回内を使わない手首を「クイッ、クイッ」と前後運動させる動きで振るのは悪い例ですよ〜!!
下の画像の点線ように、手首をしっかり立てたうえで(リストスタンドと呼びます)、手首を“回す(回内)”ように振るのが正しい振り方です。
(これはオーバーヘッドストロークと同じ)
そして、横振りの時も「人差し指の付け根をグリップに押し付ける」という感覚は同じです。
バックハンド(横振り:サイドストローク)
今度はバックハンドです。
フォアハンドの場合は、手首を内側に回転させる動き「回内運動」がスイングで重要になるということを説明しましたが、
バックハンドの場合は逆の動きになります。
回内ではなく「回外」、つまり手首を外側に回転させる動きですね。
(パチンコのハンドルを回す動きです・笑)
手首の回転が重要になるっていうのはフォアハンドと同じですが、バックハンドの横振りの場合はさらに“親指を立てる”ことでラケットを安定させます。
で、バックハンドは初心者がかなり苦戦するスイングの一つなんですが、レシーブ(守り)のショットのほとんどはバックハンドで行うので、バドミントンにおいてはバックハンドのショットの上達が超重要です。
だけど、初心者が苦手とする理由の一つに、
“打点によって親指の位置を変える”
ことで、バックハンドのショットが安定して打ちやすくなるっていうのがあります。
つまり、状況に応じて若干の、ホントに若干の「握り替え」をすることで安定したショットを打つことができるわけですが、
初心者の場合、握りがガチガチになってしまってその微妙な調整が難しいですし、
あと素振りだけだと
「どう振ったら、どこに飛ぶ」
という感覚も身に付けづらい。
初心者に基本のショット(基礎打ち)を教えるときに、最も苦戦するのが、プッシュレシーブとスマッシュレシーブなんですよね。
なので、そういう場合には他のページでも解説してますが「壁打ち」とかおススメです。
真面目にやるだけでバックハンドのショットはめちゃくちゃ上達します。
腕が疲れてパンパンになるまで続けて回数を打てるようになれば、スイング力強化の筋トレにもなります。
これは特にダブルスで言えることですが、バックハンドが苦手だとダブルスではほぼ勝てません。
市民大会なんかで学生の試合を見ていると、勝ちあがる人は男子も女子も、必ずバックハンドのショットがキレイに打てています。
逆に言えば、いくらスマッシュなんかが速くても、バックハンドでのレシーブが下手くそだったら試合では勝てないということです。
そのくらいバックハンドは重要。
バド歴約10年の僕も、いまだに「もっと鍛えたい!」と毎日のように素振りや上で紹介したような練習をやってるくらいです。
というわけで、基本的な素振り(スイング)の中でまず大事になるのが上記の3つです。
あとはシャトルと自分との位置関係に応じて、オーバーヘッドストロークの打点が右や左にずれたり、サイドストロークも高い位置や低い位置、体の前なのか後ろなのか、によってスイングの種類は増えてきますが、
上記の3つさえまず完璧にマスターしておけば、他のバリエーションもすぐに身に付けられるので、まずは重要な3つのスイングのマスターを目指しましょう!
ではでは、素振りでスイングフォームを身に付けたなら、次は「動きながら打つ」フットワークを身に付けましょう!
NEXT=> フットワークの基本
更にレベルアップ(中級者以上向け)
オーバーヘッドストローク、サイドハンドストローク(フォア&バック)の素振りは、いわば初心者向けの基本的な素振りです。
超基本になる3つの動作をマスターするために必須の練習になりますが、中級者以上になればそれらのストロークはほぼ“マスター”しているはずです。
ただし!
上記の3つをマスターしたからと言って、「素振りはもう卒業だね!」というわけではないのでご注意ください。
中級者以上の場合は、素振りの「バリエーション」を増やしましょう。
例えば、中級者以上の方で
「ハイバックが飛ばないよ〜」
という人はめちゃくちゃ多いんですけど、その原因の80%くらいは“素振り不足”です。
よく、「ハイバックはインパクトが合えば飛ぶ」「力要らないよ」という人もいるんですけど、それはスイングをマスターしている前提です。
ごくごく当たり前のことを言いますが、どんなにフォームがきれいでも、タイミングがあっていたとしても、スイートスポットにあたったとしても、
“インパクト時のスイングスピードが遅ければシャトルは遠くに飛びません”
(逆に言えば、インパクト時だけスイングスピードが速ければいいわけですが)
では、スイングスピードを上げるために必要なのは何か?
それは「正しい身体操作」と「(スイングに必要な)筋力」です。
つまり、正しいフォームで、そのフォームを実現できるだけの筋力があればいいわけですね。
で、この2つって一朝一夕で身に付くものではなくて、“素振り”によって身に付くものです。
そう、初心者が一生懸命オーバーヘッドストロークの素振りをするように、
その打ち方をマスターしたいなら、まずは“素振り”なんです。
もちろんこれはハイバックに限った話ではないです。
あらゆるショット、例えば、
・腕全体を使わずほとんど手首の回内と握り込みだけで打つハーフスマッシュ
とか
・手首の回外と握り込みだけで打つバックハンドのドライブ
ここら辺はなかなか難しい部類に入るショットですが、こういうのもしっかり素振りでフォームを作って、筋力を強化しなければ身に付きません。
(というか、ここら辺は前腕の使い方をマスターするためにも、初心者の段階から少しずつやっておきたいスイングです)
↓筋力強化についてはこちらの記事を参照してください。
「筋トレ(手首の強化)」
初心者が正しいオーバーヘッドストロークがなかなかできないのと同じで、
中級者以上の人でも、新しいショットを覚えるなら素振りでフォームを作る(&筋力を強化する)というプロセスを踏む必要があるわけです。
素振りは初心者のための練習方法ではありません。
バドミントンを続ける以上、そして上達したいという意思がある以上、常にやり続けなければならないトレーニングだと心得ておきましょう!
関連記事=> 一人でできる練習法
関連記事=> 意外と間違えがちなラケットの「握り方」