超軽量バドミントンラケットのメリットとは?
こんにちは、JUNです。
今日は“超軽量”バドミントンラケットの魅力についてお伝えしていきたいのですが、
先日メルマガのほうでこんなご質問をいただきました。
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お世話になっています。
前に自己流でオーバーヘッドの時、回内を意識して肘を使った時があったのですが、肘がとても痛くなりました。回内運動=肘が痛くなる と勝手に思い込んでいたのですが、そんなことはないのでしょうか。
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これに関しては、メルマガの方で、「リストスタンドで」「肘を伸ばしきらないように」注意しながら振ることで肘に負担はかかりづらいということで詳しく回答したのですが、
今日はそれとも少し関連しつつ、扱いたい内容というのが、
“ラケットの重さ”
についてですね。
超軽量ラケットのすすめ。
そもそも的なる話しになりますが、筋力に見合わないような重いラケットを使うと、回内運動のような小さい筋肉をつかうコンパクトなスイングで負担が大きくなります。
(歴史的にも、「回内運動が〜」っていう風に言われ始めたのも、今みたいにフルカーボンの軽量ラケットが出てき始めてからの事なので)
ですので、肩の痛みや肘の痛みなど、バドミントンをプレイしているとどうしても負担がかかりがちですが、そういうのが今より軽いラケットを試してみることで、改善する可能性があります。
現状ではおそらく、一般のプレイヤーが使用する標準的なラケットの重さっていうのは、
「4U(84g前後)」
が最も多いんじゃないかと思います。
僕がこの前紹介した、5年以上変わらず愛用しているバボラのサテライトLITEというラケットも、4Uですね。
このラケットをもう5年くらい愛用しているんですけれども、最近になってちょっときつくなり始めている、というとやや誤解があるんですが、
“もっと良くできないかな”
という欲求に駆られて、また少しラケット選びに迷走し始めているというのは事実です。
歳を重ねてくると段々この4Uのラケットにも「重み」を感じ始めているんですね。
4Uでも「重い」
いや、4Uだし、ヘッドライトだから軽いのは軽いんですよ。
ただそれは相対的に軽いだけであって、僕が理想とするプレーをする上では「重い」のかもしれないと。
これでも、ゴリゴリなパワープレイも好きな30代男子ですし、それなりにトレーニングも(たまにw)行っているので、割と力はあるほうだと思うのです。
もちろん、上には上がいるし、トップ選手なんかと比べると足元にも及ばないけれども、一般的なバドミントンプレイヤーの中では、パワーはある方だとは自覚しています。
それでも、「4U」という極々平均的な人が使うラケットが“重く”感じることがあるのです。
例えば、相手の攻撃で完全に逆を疲れたときに、バックで構えててフォア側に差し込まれる、
フォアで構えてて、バック側に差し込まれる、
っていう場面は、ダブルスの速いラリーの中だと良くあることなわけですが、
完全に逆をつかれると、思ったようにラケット振れなくなっちゃうんですね。
技術的にはいろんな方法があって、例えばバックの握りのままフォアでスイングするとか、
フォアの握りのままバックのスイングをするとか、
そういう方法で逆を突かれたラリーを繋ぐことって結構あるんです。
握り替える時間的な余裕はないから、仕方なく握りをそのままでスイングすると。
あるいは、フォアとバックの中間のどちらでも打てる握りが推奨されることもあります。(僕は個人的にあまり好きな方法ではないけれども)
だけど、それってやっぱ自然な握りではないので、スムーズには振れないし、無理すると上記のように「腕への負担」が結構でかいわけです。
あるいは、前にも記事でも書いたように、より広い範囲をバックハンド一本で守れるようにする、という基本技術もありますが、
これも実は、フォア側の打球を肘をあげてバックハンドで頑張ると、腕へ負担ってやっぱ大きいんですよね。(肩とか肘とか)
で、個人的にもちょっと限界を感じ始めているというか、むしろ最近急激に成長しているからこそ、理想と現実とのギャップというか、
もうちょっとラケットの重さを感じずにプレイしたい
みたいな欲求が出てきた、と表現するのが正しいかもしれません。
超軽量「7U(68g)」ラケットを使ってみた。
と、上記のような課題意識が急に芽生えてきて、更に“軽いラケット”っていうのを最近練習で使い始めるようにしたんです。
どのくらい軽いかというと、規格でいうと「7U」です。
おそらく現行のラケットでは最軽量に近い68g。
ちなみにこのラケットは7年くらい前にスマッシュ強化のためにいろいろ試していた時期に買って、
「軽すぎて実用的じゃない。」
ということで、今考えればそれは完全に僕自身の技術不足だったわけですけれども、
部屋の隅に眠ることになっていたのを、今になって再び引っ張り出してきて試合で使い始めてみたわけです。
すると、、、意外とこれが“大当たり”で、
ほぼ完ぺきなラリーが出来るようになったと。
とにかく軽いから操作しやすい。
思い通りにラケットがついてきてくれて、逆を突かれても全然取れるし、
なんなら軽いから腕の負担も最小限で、めっちゃ楽。
ダブルスの前衛で、ギリギリ届いたような打球でも軽くリストだけでプッシュが打てたりして、
「えっ、そっから攻めれんの。。。」
と、相手が驚くと同時に僕自身もビックリしたんだけれども(苦笑)
とにかく操作性が抜群で、今までにないような理想的なラリーが出来るようになったわけです。
ダブルスの速いラリーで、スピード負けするという事が(元々得意ではあるけれども)全く無くなりました。
以前だったら、意識してギアを上げていたのが、意識しなくても自然とそのスピードでプレイできている、という感じです。
割と良いことづくめだったので、ちょっとお試しのつもりだったんだけれども、マジでメインのラケットを5年ぶりに切り替えようかなと、今思っているところですが、
軽量ラケットにもデメリットはある。
もちろんですが、軽いラケットにも大きな欠点っていうのはあって、
スマッシュは遅くなる
まずスマッシュは遅くなります。
工夫次第でその差を小さくすることは可能ですが、それでもやっぱり遅くなることが多いと思います。
これはもう、物理的にシャトルへのエネルギーの伝達が小さくなるので、それを補って余りあるスイングスピードを出しつつ、圧倒的なパワーでインパクトの衝撃を相手側へ押し込めるなら、
それでも速いスマッシュは打てます。
打てますが、そういうパワーがある人は、少しラケットを重くすればもっと速くなるんで、やっぱ相対的にはスマッシュスピードは遅くなります。
だけれどもこれっていうのは実は場合によりけりで、今使っているラケットが「重すぎてちゃんと振れていない」という場合には、逆にラケットを軽くすることでスマッシュが速くなることもあります。
これも僕の場合ではあるのですが、ここ最近どうにも筋力不足でバックハンドでスマッシュを打てなくなっていたのですが、このラケットに変えた途端に、しっかり“振れる”ので、バックハンドでのスマッシュは逆に速くなりました。
つまり、このスマッシュが遅くなるというのも厳密には「人によります」。
コンパクトにスイングできないとメリットを生かせない
むしろ軽いラケットのデメリットとして重要なのはこっちかなと思いますが、
“コンパクトで鋭いスイング”
をしっかり自分の中で確立できてないと、ラケットが軽いことのメリットを活かせなくて、
いわゆる「大振り」でスイングしている段階にある人にとっては、ラケットを軽くするメリットがあまりありません。
っていうのも、スマッシュでもレシーブでも理屈は同じなのですが、ラケットヘッドが重いと、その重み自体がシャトルとの反発のエネルギーになって、
感覚としていわゆる「当たるだけ」で、わりとシャトルは飛んでくれるのです。
相手のスマッシュやプッシュに対しても、重いラケットならラケット面でシャトルを捉えられさえすれば、
そこまでスイングしなくても、重みで反発してくれて飛んでくれるのですが、
これが上記のような極めて軽いラケットだと、「当てるだけだとパワー負け」します。
ラケットヘッドが軽いんで、パワーに押されて反発力がシャトルに伝わらないわけですね。
なので、タイミングを合わせてしっかり「振って当てる」っていうのができないと、打球にパワーが伝わらないので、レシーブやドライブは極端にスピードが出なくなります。
これも大きな欠点です。
ラケット一つでプレイスタイルは変わる。
ということで、また何年かぶりのラケット迷走期に突入してしまったわけですが、ラケット選びってマジで重要で、
憧れのあの選手が使ってるから、とか、あのメーカーの新しいモデルが、とか、
そういうのは個人的には全く気にしないのですが、
最も基本的なスペックである、「重さ」に関しては、めちゃめちゃプレイに影響が出るなと思っていて、
マジでこれだけでプレイスタイルが大きく変わるわけです。
上記のように、極端に軽いラケットを使っていると、スピードをドンドン上げて速いラリーでやりたくなるし、
むしろ逆にそうしないと、一発のパワーがないので、ラリーのスピードで勝負するしかないわけです。
一方で、もし僕が今「重い(3Uとか2Uとかの)」ラケットでゲームをしなきゃいけない、というような状況になったとすると、
とてもじゃないけれども速いラリーはできない(追いつかない)から、ゆっくり展開して、レシーブもドライブは少なめでスペースへのショートリターンをメインにして、
なるべく大きいロブを上げさせて、一撃のスマッシュを主軸にして戦うようなスタイルにせざるを得ないと思います。
そのくらい、ラケット一本で大きく変わるんで、ラケット選びは僕はものすごく大事だと思ってます。
確かこのサイトの記事の中でも昔、
「自分のプレイスタイルに合うラケットを選ぶ」
のではなく、
「自分の“目指す”プレイスタイルに合うラケットを選べ」
というような趣旨のことを書いたことがあって、これは今でも同じ意見なのですが、
自分に合わせてラケットを使うという発想だけではなく、
“ラケットの強みを最大限生かす”
というような視点で、これは中級者以上の少し高度な発想かもしれませんけれども、
そういう意識でプレイすると、新しい自分の可能性が見つかって面白いのかなと。
これも“新しい刺激”。
少し前に書いた記事で、
「普段やらない新しい刺激を入れることで可能性を広げる」
というような視点で練習方法をお伝えした回がありました。
バック走とか、拮抗筋を鍛えるとか、サッカーのボールタッチ練習とか。
その文脈で言うと、今回の、
・いつもと極端に違う重さのラケットでプレイしてみる
っていうのも、見方によっては「新しい刺激」です。
僕自身、今まで真面目には使ったことがない7Uのラケットで練習してみて、もちろん最初はいつもと違う違和感は多々あったものの、
「こんなに思い通りに振れるんか!」
っていう衝撃はありましたからね。
それまで、頑張って速いラリーを仕掛けていたものが、頑張らなくても仕掛けられるし、なんならここから更に頑張れば「もっと圧倒的に速くできるのか。」とか、いろいろと試せるわけです。
競技歴約15年ほどにして、さらにこの新しい可能性が広がる感覚っていうのは、大変面白いものです。
ぜひ、お試しあれ。
超軽量ラケット一覧
・ウィルソン BLAZE V2.0 SX9900
こちらは、上記で登場する僕が圧倒的な操作性でラリーを無双したラケットの後継モデルになります。7U(68g)。
とにかく超軽量で、操作性は抜群です。
・バボラ サテライトグラビティ74
僕の愛用メーカーのバボラから販売されている最軽量モデルで、こちらは上記よりもやや重い74g。
実際のところ、68gは個人的にはやっぱり軽すぎて、もう1段階くらいは重くても大丈夫なんではないか、という感覚なので、
最適な操作性を保ちつつ、スマッシュの威力も捨てたくない、というのにはちょうどいいスペックではないかと思います。
(今後の僕の本命ラケット候補です。また別途レビューします。)
↓こちらレビュー記事になります。
サテライトグラビティ74レビュー
・KPI KPIAIR FL
これも今僕が試してみたい(というか発注済みだけれども・笑)ラケットで、KPIというスポーツグッズの販売店のオリジナルモデルで、重さは7U(67g)でフルカーボン製であるものの、
“非常に安い!”(7000円程度)
超お買い得なラケットです。
一説によると、有名メーカーの2万円近くするようなハイエンドモデルのラケットも、製造原価でいうと実は数千円くらいしかしない、とかなんとか。
そこにプロモーションやら、流通やら、認定料やら、利益やら、色んなものが乗っかって2万円近くするようなのですが、
このラケットはそういうのを「ガン無視」したような価格です(笑)。
おそらく日本バドミントン協会の認定を受けていないので、全日本クラスの大きな大会(第一種大会、第二種大会)では使用できないと思われますが、そういう大きな大会とは無縁の一般プレイヤーであれば、非常にお買い得で試しやすい「超軽量ラケット」です。
また届き次第、別途レビュー記事を書きたいと思います。
↓こちらレビュー記事になります。
KPI AIR FL レビュー
ではまた。
関連記事 =>サテライトグラビティ74レビュー
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